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相続放棄の期間は3か月?期限はいつから?起算点や手続きの流れを徹底解説

執筆者の写真: 朋之 藤沢
朋之 藤沢
10月2日
読了時間: 10分

相続放棄には「3か月」という期間が定められています。しかし、単純に「相続が発生してから3か月」と考えてしまうと、期限を誤ってしまう可能性があります。相続放棄の期間は、原則として相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月です。この記事では、相続放棄の期限はいつから始まるのか、期間の数え方、3か月を過ぎそうな場合の対処法、家庭裁判所での手続きの流れまで、わかりやすく解説します。


相続放棄の説明

目次





1.相続放棄の期間は原則3か月


1-1.相続放棄の期限はいつから数える?


相続放棄の期間は、原則として**「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月**です。この3か月は、一般に「熟慮期間」と呼ばれています。重要なのは、必ずしも被相続人が亡くなった日から3か月とは限らない点です。たとえば、被相続人が亡くなったことを知ったものの、自分が相続人になったことを知らなかった場合など、具体的な事情によって起算点が異なる可能性があります。相続放棄をする場合は、この期間内に原則として家庭裁判所へ申述する必要があります。期限を過ぎると、原則として単純承認したものと扱われる可能性があるため、早めに確認することが大切です。


1-2.3か月の期間内に何をすればいい?


相続放棄を希望する場合、3か月の期間内に「相続放棄をしたい」と考えるだけでは手続きは完了しません。原則として、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に相続放棄の申述を行う必要があります。そのため、まず自分が相続人に該当するのかを確認し、被相続人の財産や借金などの相続財産を調査したうえで、相続するのか、相続放棄するのかを判断します。特に、借金などのマイナスの財産が多い場合は注意が必要です。また、必要書類の収集や申述書の作成にも時間がかかることがあります。期限直前になって慌てないよう、相続開始を知ったらできるだけ早く準備を始めましょう。



2.相続放棄の「3か月」の起算点を詳しく解説


2-1.相続開始を知った日が起算点になる


相続放棄の3か月という期間を考えるうえで、最も重要なのが**「いつから数えるのか」**という起算点です。民法では、原則として相続人が「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内に、相続について単純承認、限定承認または放棄をしなければならないとされています。つまり、単純に被相続人の死亡日だけを基準にするわけではありません。たとえば、疎遠だった親族の死亡を後から知った場合などは、死亡日と自分が相続開始を知った日が異なることがあります。また、相続順位によっては、先順位の相続人が相続放棄したことで自分が相続人になり、その事実を知った時点が問題になるケースもあります。個別事情によって判断が変わるため、起算点が不明確な場合は専門家への相談も検討しましょう。


2-2.相続人になったことを後から知った場合


相続人になったことを後から知った場合、相続放棄の3か月がいつから始まるのかは重要な問題です。たとえば、被相続人の子どもが全員相続放棄したことで、次順位の相続人である親族が相続人になるケースがあります。この場合、被相続人が亡くなった日から必ず3か月以内というわけではなく、自分が相続人となったことを知った時期が重要になる場合があります。また、被相続人の借金について、相続開始からかなり後になって初めて債権者から通知を受けたケースなど、具体的な事情によっては相続放棄の期間について争いになることもあります。「もう3か月過ぎているから絶対に無理」と自己判断せず、いつ、どのような

経緯で相続を知ったのかを整理することが大切です。



3.相続放棄の期間を過ぎそうな場合の対処法


3-1.3か月以内に判断できない場合は期間伸長


相続財産の調査に時間がかかり、3か月以内に相続放棄をするかどうか判断できない場合には、家庭裁判所に熟慮期間の伸長を申し立てる方法があります。相続財産が多い場合や、被相続人が遠方に住んでいた場合、借金や保証債務などの調査に時間がかかる場合など、3か月では判断が難しいケースもあります。期間伸長の申立ても、原則として熟慮期間内に行う必要があるため、「3か月を過ぎてから申し立てればいい」と考えるのは危険です。また、期間伸長が認められるかどうかは、個々の事情を踏まえて家庭裁判所が判断します。相続放棄をするか迷っている段階でも、期限が迫っているのであれば、早めに家庭裁判所や弁護士などへ相談することをおすすめします。


3-2.3か月を過ぎた場合でも相続放棄できるケース


原則として相続放棄の熟慮期間である3か月を過ぎると、相続を承認したものとみなされる可能性があります。ただし、**3か月を経過した後でも相続放棄が認められる可能性が全くないわけではありません。**たとえば、相続人が相続財産の全部または一部を認識していなかったなど、具体的な事情が問題になるケースがあります。特に、被相続人に借金があることを長期間知らず、後になって突然、債権者から請求を受けたような場合には注意が必要です。ただし、「借金を知らなかった」という事情だけで必ず相続放棄が認められるわけではありません。家庭裁判所に事情を説明する必要があるため、期限を過ぎている場合ほど、自己判断で諦めず専門家に相談することが重要です。



4.相続放棄の手続きと必要書類


4-1.家庭裁判所への申述手続き


相続放棄の手続きは、原則として**家庭裁判所に「相続放棄の申述」をすることから始まります。**まず、被相続人の最後の住所地を確認し、管轄する家庭裁判所を調べます。そのうえで、相続放棄申述書を作成し、戸籍謄本などの必要書類を添えて提出します。申述後は、家庭裁判所から照会書などが送付される場合があり、必要な回答を行います。最終的に相続放棄が受理されると、相続放棄の手続きが完了します。なお、相続放棄は相続人同士で「放棄する」と話し合うだけでは成立しません。遺産分割協議で「何も相続しない」と合意することと、家庭裁判所で行う相続放棄は別の手続きです。この違いを理解しておくことが重要です。


4-2.相続放棄に必要な書類と注意点


相続放棄の申述には、一般的に相続放棄申述書、被相続人の戸籍関係書類、申述人の戸籍謄本などが必要になります。ただし、申述人が被相続人の子なのか、兄弟姉妹なのか、代襲相続人なのかなどによって、必要となる戸籍書類が異なる場合があります。また、申述の際には収入印紙や郵便切手などが必要になることもあります。必要書類を集めるために時間がかかるケースもあるため、期限が迫っている場合は特に注意が必要です。さらに、相続放棄の手続き中に相続財産を処分するなど、相続を承認したと判断される可能性のある行為をしないよう慎重に対応する必要があります。具体的な必要書類は、申述先の家庭裁判所に確認すると安心です。



5.相続放棄の期間でよくある疑問と注意点


5-1.3か月の期限を過ぎたら借金を払う必要がある?


相続放棄の期限を過ぎたからといって、すべてのケースで直ちに「被相続人の借金を必ず支払わなければならない」と決まるわけではありません。ただし、熟慮期間を過ぎて相続を承認したものと扱われると、被相続人のプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も原則として相続することになります。そのため、借金の存在を後から知った場合には特に注意が必要です。債権者から突然請求書や通知が届いた場合でも、慌てて借金の支払いをしたり、債権者との間で不用意な合意をしたりする前に、自分が相続人になった経緯や相続放棄の期限を確認しましょう。3か月経過後でも相続放棄が認められる可能性があるケースもあるため、具体的な事情を整理して専門家に相談することが重要です。


5-2.相続放棄を検討するときのポイント


相続放棄を検討するときは、まず**「相続放棄の期間がいつから始まるのか」**を正確に確認することが大切です。そのうえで、被相続人の預貯金、不動産、株式などのプラスの財産だけでなく、借金、未払い金、保証債務などのマイナスの財産も調査します。相続放棄には原則3か月という期限があるため、財産調査に時間がかかりそうな場合は早めに対応することが重要です。また、3か月以内に判断できない場合は、期間伸長の申立てを検討します。すでに期限を過ぎている場合でも、相続を知った時期や借金を知った経緯などによって対応が変わる可能性があります。相続放棄は一度受理されると原則として撤回できないため、迷ったときは早めに家庭裁判所や相続問題に詳しい専門家へ相談しましょう。



◎相続開始から3か月を過ぎた後でも相続放棄ができた事例


音信不通だった叔父の借金について、突然、債権者から支払いの連絡が……


「相続放棄は、亡くなってから3か月以内にしなければならない」

このように思われている方も多いのではないでしょうか。

確かに、相続放棄は原則として、自分が相続人となったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。

しかし、すべてのケースで「被相続人が亡くなった日」から3か月と決まっているわけではありません。

今回、当司法書士事務所でお手伝いしたのは、次のようなケースでした。


【今回の事例】


相続人の方は、叔父さんとは長年にわたり音信不通の状態でした。

そのため、叔父さんが亡くなったことも知らず、当然、自分が叔父さんの相続人になっていることも知りませんでした。

ところが、ある日突然、叔父さんの債権者から、


「叔父さんの借金について支払ってください」


という連絡が入りました。

そこで初めて、叔父さんがすでに亡くなっていたこと、そして自分が相続人となっていることを知ることになりました。


「もう3か月を過ぎているから相続放棄できない?」


ここで問題となるのが、相続放棄の「3か月」という期限です。

今回、叔父さんが亡くなってからは、すでに3か月を超えていました。

しかし、相続人の方は、叔父さんが亡くなった事実をそれまで知らなかったのです。

そのため、「叔父さんが亡くなった日」から単純に3か月を計算するのではなく、いつ相続の開始を知ったのかという点が重要になります。

今回のケースでは、債権者からの連絡を受けたことによって、初めて叔父さんの死亡と自分が相続人であることを知りました。

そこで、その経緯を家庭裁判所に丁寧に説明したうえで、相続放棄の申述を行いました。


無事に相続放棄が受理されました


結果として、今回の相続放棄は家庭裁判所に受理されました。

このように、被相続人の死亡から3か月を経過しているからといって、必ず相続放棄ができないとは限りません。

特に、


  • 長年、被相続人と音信不通だった

  • 被相続人が亡くなったことを知らなかった

  • 自分が相続人になったことも知らなかった

  • 債権者からの通知によって初めて死亡や相続人であることを知った


といった事情がある場合には、まず専門家にご相談ください。

「3か月を過ぎてしまったから、もう相続放棄は無理だ」

と自己判断してしまうのは危険です。

相続放棄では、3か月の起算点や、被相続人との関係、死亡を知った経緯などを具体的に確認することが重要です。

当司法書士事務所では、3か月を経過した後の相続放棄についても、これまでの経緯を丁寧にお伺いし、家庭裁判所への申述に必要な事情を整理して手続きをサポートしています。


※相続放棄が認められるかどうかは、個々の事情によって異なります。3か月を経過している場合でも、まずはお早めにご相談ください。



 
 
 

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